Goldeye Pro G5-530 VSWIR TEC1 – SWIR(短波近赤外)カメラ

Allied-Vision-Goldeye-Pro-G5-130-VSWIR-TEC1 Allied-Vision-Goldeye-Pro-G5-130-VSWIR-TEC1
製品名称/型番

Goldeye Pro G5-530 VSWIR TEC1

メーカー名

Allied Vision社

類別/応用

VSWIRカメラ

説明

Goldeye Pro G5-530 VSWIR TEC1は、Sony製IMX992 InGaAs センサーを搭載し、5.3メガピクセルの解像度で 115fpsの撮像速度を実現するSWIR(短波近赤外)カメラです。

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Goldeye Pro G5-530 VSWIR TEC1

5.3MP の高精度SWIRカメラ。Sony SenSWIRセンサー、5GigEインターフェース、TEC1冷却を搭載し、微細欠陥検出、医療・研究開発、高精度計測など、最高レベルの検査精度が必須な用途に対応する最上位モデルです。3.45µmの業界最小級画素ピッチにより、シリコン内部クラック、微細配線の欠陥を可視化します。

G5-530 製品概要

Goldeye Pro G5-530は、5.3MP 解像度の高精度SWIRカメラです。Goldeye Pro G5シリーズの最上位モデルとして、3.45µm の業界最小クラスの画素ピッチと、2592×2056 の高解像度により、微細な欠陥や構造を捉えることに特化しています。スループット面では G5-130・G5-320 よりも低下しますが、検査精度を最優先する用途には最適な選択肢です。

主な特徴

  • 最高精度:5.3MP で微細な欠陥・構造を可視化
  • 微細画素ピッチ:3.45µm(業界最小クラス)で高精度検出
  • 小型フォーマット:Type 1/1.4 でコンパクト設計を実現
  • 広帯域感度:400nm(可視光)~1700nm(SWIR)をカバーする VSWIR 特性
  • 安定性:TEC1 冷却により、24時間の安定した高精度検査を実現

詳細スペック

センサー仕様

解像度・画素

解像度
5.3 Megapixel
水平画素数
2592
垂直画素数
2056
画素ピッチ
3.45 µm × 3.45 µm

光学特性

光学フォーマット
Type 1/1.4
センサーサイズ
8.9 mm × 7.1 mm
分光感度
400 – 1700 nm (VSWIR)
シャッター
グローバルシャッター

フレームレート・スループット

撮像性能

最大フレームレート
115 fps
バッファメモリー
256 MB
露光時間範囲
23 µs ~ 114s
データ転送量
525 MB/s @ 159fps

インターフェース帯域幅

インターフェース
5GigE (IEEE 802.3)
帯域幅
5 Gbps
転送速度
約 625 MB/s(理論値)
ケーブル長
最大 100 m(理論値)

冷却・電源仕様

冷却システム

冷却機構
TEC1 (1段ペルチェ)
冷却温度
20℃(デフォルト)/ ユーザー設定
温度安定性
±2℃ (自動適応型)
デザイン
ファンレス (振動排除)

電源

電源供給方式
ACアダプター / PoE (Power over Ethernet)
消費電力
10 W / 13 (PoE)
外部電源対応
オプション (別途供給可能)
動作電圧
12 VDC ~ 24 VDC

物理仕様

筐体・寸法

カメラ本体寸法
約 78 × 55 × 55 mm
重量
約 350 g
マウント
Cマウント (レンズ交換可)

環境耐性

動作温度
-15℃~ +55℃
保管温度
-30℃~ +70℃
湿度
10% ~ 95%(結露なし)

高度な画像処理機能

Goldeye Pro G5-530は、FPGAベースのオンボード画像処理により、5.3MP の超高解像度を活かしながら、ホストPCの負荷を軽減し、最適化された画像品質を提供します。

NUC(不均一性補正)

温度変化や露光時間の変更に応じて、画素ごとのゲイン・オフセットを自動最適化します。5.3MP(約530万画素)のすべての画素について、高精度な不均一性補正を実行。医療・研究開発での計測精度を大幅に向上させます。

実装効果: 画面全体の輝度むらが抑制され、定量的な計測が要求される用途での信頼性が飛躍的に向上。

DPC(欠陥画素補正)

InGaAsセンサーの欠陥画素を自動検出し、周囲画素からの補間により補正します。5.3MP(約530万画素)の中から欠陥画素をリアルタイムで検出・補正します。

ビット深度対応

8bit、10bit、12bitの多段階出力に対応し、撮像条件に応じて最適なダイナミックレンジを選択できます。

  • 8bit:高速転送
  • 10bit:標準的な計測用途向け
  • 12bit:最高精度計測、科学研究用途

ROI(Region of Interest)

撮像領域の一部のみを読み出すことで、さらなるフレームレート向上とデータ量削減が可能です。

 

G5シリーズ モデル比較

Goldeye Pro G5シリーズの3つのモデルは、すべてが5GigE、TEC1冷却、VSWIR感度を搭載していますが、解像度と用途に応じて選別できます。G5-530は「最高精度」を追求するプレミアムモデルです。

モデル G5-130 G5-320 G5-530
解像度 1.3 MP (SXGA) 3.2 MP 5.3 MP
画素数 1296 × 1032 2080 × 1544 2592 × 2056
画素ピッチ 5.0 µm 3.45 µm 3.45 µm
最大フレームレート 125 fps 159 fps 115 fps
光学フォーマット Type 1/2 Type 1/1.8 Type 1/1.4
典型用途 低コスト バランス型 高精度検査
共通機能 5GigE / TEC1冷却 / VSWIR (400-1700nm) / グローバルシャッター / GigE Vision対応

G5-530の位置づけ

G5-530は、精度最優先のプレミアムモデルです。5.3MP の超高解像度、3.45µm の微細画素ピッチ、Type 1/1.4 のコンパクトフォーマットにより、微細な欠陥・構造を捉えることに特化。フレームレートは115fpsと低めですが、「速度よりも精度」という要求に応える最上位モデルです。

適用用途・使用場面

推奨される用途

半導体ウェハー内部検査

シリコン内部クラック、ボイド、微細配線の欠陥検出。プロセスノード 5nm 以下の微細検査。

医療機器検査

医療機器内部構造の検査、精密部品の欠陥検出。生体計測デバイスの品質確認。

光学部品検査

光学レンズ、光学素子の内部欠陥、表面缺陥の検査。コーティング均一性の確認。

ハイパースペクトル解析

多波長での同時取得、スペクトラル分析。材料識別、化学分析用途。

生体イメージング

NIR-IIウィンドウでの深部観察。蛍光イメージング、OCT(光干渉断層計)。

レーザービームプロファイリング

高出力レーザー、通信用レーザーの出力プロファイル測定。ビーム品質管理。

G5-530が最適な理由

5.3MP の超高解像度は、以下のような「検査精度」が求められるアプリケーションに不可欠です:

  • 微細さが極限
  • スループットよりも精度が最優先
  • 医療・科学研究での信頼性が重要
  • 複雑なスペクトラル解析が必要

非推奨な用途

G5-530のような最高解像度は不要で、以下のような「スピード・コストバランス」を重視する場合は、G5-130 または G5-320 を推奨します:

  • 高速ライン
  • 低コスト重視
  • シンプルな外観検査
  • フレームレートが最優先の用途

インターフェース・システム統合

5GigE インターフェース仕様

5GigE (IEEE 802.3) の特徴

  • 帯域幅:5 Gbps
  • 転送距離:Cat6A or Cat7 ケーブルで最大100m(理論値)
  • PoE(Power over Ethernet):1本のケーブルで電力供給 + データ通信
  • 標準 RJ-45 コネクタ:汎用ケーブル、施工性に優れる
  • 遅延が少ない:USB3.0 のようなホスト側フレームグラバーが不要

GigE Vision / GenICam 対応

Goldeye Pro G5-530は、マシンビジョン業界標準の GigE Vision と GenICam / GenApi プロトコルに完全準拠しています。

利点: Matrox、HALCON、LabVIEW、Cognex VisionPro、OpenCV、Python/NumPy、MATLAB等の主要ソフトウェアとシームレスに統合できます。

推奨システム構成

G5-530を組み込んだ典型的なシステム構成:

構成例:
SWIR LED 照明 + G5-530(5GigE) → Cat6A/Cat7 ケーブル(最大100m) → 高性能 PC(複数 GigE NIC搭載) → 高度な画像処理ソフト(HALCON / MATLAB) → データ解析・ロギング

外部機器との連携

  • SWIR LED 照明:可視+SWIR 兼用、均一照度照明を推奨
  • レンズ:Cマウント規格
  • フレームグラバー:不要(標準 Ethernet NIC で対応)
  • 外部トリガー:対応

性能・画質特性

暗電流・ノイズ特性

InGaAsセンサーの温度に対する暗電流の依存性は顕著です。G5-530のTEC冷却により、センサー温度を一定に保つことで、ノイズレベルを安定化させます。

分光感度特性

Goldeye Pro G5-530のSony SenSWIRセンサーは、以下の特性をもつ広帯域感度を実現:

  • 可視光領域(400-700nm):外観検査での利用、RGB情報の同時取得
  • 近赤外線(700-1000nm):シリコン透過域、内部構造の明確化
  • SWIR 領域(1000-1700nm):水分吸収、化学物質識別、深部構造観察

解像度・微細なディテール検出

画素ピッチ 3.45µm、Type 1/1.4 フォーマット、5.3MP の G5-530では、Cマウントレンズと組み合わせた場合、以下の微細さが検出可能です:

認証・規格準拠

産業規格への準拠

  • GigE Vision:マシンビジョン機器通信規格
  • GenICam:汎用制御プロトコル(GenApi、SFNC)
  • IEEE 802.3:5GigE 物理層規格

安全・環境規制への適合

  • CEマーキング:欧州連合(EU)安全基準への適合
  • RoHS 指令:有害物質使用制限
  • REACH / POP:化学物質規制への適合
  • FCC:米国連邦通信委員会規制への適合

ドキュメント・技術情報

提供ドキュメント

サポート・技術相談

Allied Vision は、最高精度が必要な研究機関やハイエンドシステムインテグレータに向けた専門的な技術サポートを提供しています。

  • 💬 技術サポート:最適なレンズ選定、光学系の設計支援、性能最適化
  • 🔧 カスタマイズ対応:特殊用途向けの設定、ファームウェアの最適化
  • 📞 デモ機貸出:実装検証前の試用期間。

仕様表 サマリー

カテゴリ 仕様
モデル名 Goldeye Pro G5-530 VSWIR TEC1
解像度 5.3 Megapixel (2592 × 2056)
画素ピッチ 3.45 µm × 3.45 µm
光学フォーマット Type 1/1.4
分光感度 400 nm – 1700 nm (VSWIR)
最大フレームレート 115 fps
シャッター方式 グローバルシャッター
インターフェース 5GigE (IEEE 802.3)
冷却 TEC1 (ペルチェ、温度安定化)
電源 DC / PoE (Power over Ethernet)
消費電力 DC 11 W / 12.9 W (PoE)
マウント Cマウント
寸法 約 78 × 55 × 55 mm
重量 約 350 g
動作温度範囲 -15℃ – +55℃
対応規格 GigE Vision / GenICam / CE / RoHS / FCC